2011年03月01日

芥川賞と直木賞

芥川賞を受賞した「苦役列車」西村賢太著と直木賞に落選した「砂の王国」 荻原浩著を読んだ。
結論的に言うと両方とも面白くはなかった。

「苦役列車」はテレビで芥川賞を受賞したときの西村賢太のインタビューと風貌に興味を感じたので本を購入したのだが、いわゆる破滅型私小説というジャンルの小説を読むのもひさしぶりで、いまいちピンとこなかった。
「自分よりダメなやつがいるんだなという気持ちになってもらえれば書いたかいがある。」と著者は語っていたが、今時、自分よりダメな奴をみてどうなるのだろう。
なにかセコくてズルイ奴をみて俺のがましだ感じてもどうにもならないような気がする。
この本を読まなくても、今時はダメな人が新聞やテレビで世間を騒がしくしている。
しかも、本当に生活ができなくて困った末に起こして事件ではなく、精神的に追い詰められたゆえのことの方が多いような気がする。
そんな時代になっている。
学生も、社会人も皆、行き詰っている。
そんな時代に西村賢太の私小説はどうなのかなあ?と私は思ってしまう。
ダメな人を描く小説を読んで自分を慰めるのだろうか。
ダメな人間のひとりとしては、いまいち共感できない。

もうひとつの「砂の王国」の荻原浩は私の好きな作家のひとりである。
この「砂の王国」は直木賞の候補作であったそうである。そして残念ながら落選してしまったのだが。
この小説は世間から落ちこぼれた男が偶然に知り合った男たちと宗教により這い上がっていこうという物語なのだが、この話の展開は最近読んだばかりの「仮想儀礼」篠田 節子著と似たような感じがする。
「仮想儀礼」の方も家族と職を失った男が教団を立ち上げていく物語である。
もちろん真似たわけではないのだろうが、先に「仮想儀礼」を読んでしまえば二番煎じの感がある。
荻原浩のペーソスがあり、ユーモアがある作品すきなのだが、この作品はちょっと違い、私の好きなタイプの作品ではなかった。
上下刊を買ったのに、ちと悔しい。

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posted by 待蔵 at 17:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本のこと
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